活動方針(令和6年度)
持続可能な、雑木林的居場所づくり
一般社団法人 日本青少年育成協会 会長
増澤 空
真のボランティア精神
世の中にボランティア活動が数多ある中で、我が社団は、事務局職員以外の活動はすべて無報酬で成り立っています。交通費は無論のこと、場合によっては宿泊費などの諸経費も自前になります。
しかし、会員の方から「交通費くらい・・・」という不満の声を聞いたことがありません。自発的な意志によって行動するというボランティア精神で、社団を支えてくださっていることに深く感謝を申し上げます。
社会貢献できる喜び
なぜこのように日青協の活動に人が集まってくださるのか?と考えたことがあります。私も、一会員としてイベントに参加したことがありますが、常に活き活きとした皆様の笑顔に触れることができます。皆様の活動の動機づけが「金銭的報酬」よりも「社会貢献できる喜び」であることを実感しております。
雑木林的空間
昨年度のメッセージでは、我が社団及び民間教育全体を雑木林に例えました。会員の皆様は、それぞれ自分の仕事をお持ちで、会社の規模の大小に関係なく、また年齢や男女の関係なく、ごく自然に空間を創出して交流されています。しかもその活動は、経済的な責任を抱えながら、企画から実践まで自立して行われているのです。
その微妙なバランスが、災害や非常時に力を発揮し、持続可能な空間を創り出せている雑木林に似ていることから、表現した次第です。
以上3点を紹介したうえで、一年(令和5年)の活動を振り返ってみたいと思います。
「HSK関連」では、今回で8回目となる「HSKフェア」において、コロナ禍以降のリアル開催を復活し、過去最高の参加者を実現しました。人気ユーチューバーをはじめとする講演者のご協力もいただき、盛会となりました。内容的にも充実し、セミナー会場も満員、来場者が途切れる時間帯がなく、コロナ禍後の集客という課題を克服するフェアとなりました。中国のご来賓の皆様からも高評価をいただき、「来年度も同じ会場で開催してほしい」と嬉しい言葉を
いただいております。
またコロナを乗り越えるために生まれた「オンライン留学」は、コロナが収まりつつある現在も継続中です。この活動で得たものは、新規マーケット(ハンディキャップをお持ちの方々・子育て中の方々)の開拓、更に中国の有名大学との太いパイプです。今後のリアル留学に生かせる成果を得たと思っております。
教育メソッド普及委員会では、日々の教育メソッドの実践の積み重ねが確認できるイベント「教育コミュニケーションフォーラム」の開催は今年で8回目となりました。昨年からリアル開催に移行させていただき、有料参加にもかかわらず、例年会場は満員で、さらにアンケート結果では、過去にない満足度の高い評価をいただきました。
更に今回、協賛企業の数が過去最高になったことも大きな収穫と言えるでしょう。
キャリア教育委員会とチャリティイベント委員会のコラボ企画―キャリア教育の一環で株式会社ラシク様との共催「スタンドプロジェクト」を我が社団とご縁のある五島市(奈留島)で開催しました。自治体を巻き込んで、五島市奈留島の中高生全員参加を実現しました。
最後に五島市から「今後自分たちの力で同じイベントを実現したい」というコメントをいただき、最高の評価を得た気がしております。
スポーツ委員会でも、ビブスの支援だけではなく、新規企画として、なかなか試合出場の機会に恵まれない子どもたちを支援する自主リーグをバックアップする活動も実践できました。神奈川のオーシャンズリーグ、千葉市の育成リーグに寄付金が届き、子どもたちにより良い教育環境を提供できました。
国際交流委員会のように、イベントではなく、毎月の勉強会を実施した委員会もあります。このことも大きなチャレンジのように思います。テーマは、「学習塾と留学のかけはし」です。近いようで遠い両業種の交流会をしながらの勉強会も、令和5年度の新しいトピックになりました。
冒頭にお伝えさせていただいた日青協が培ってきた3つの活動の在り方(真のボランティア精神・社会貢献できる喜び・雑木林的空間)を一言で表現するならば、皆さんの活動の力が発揮できる「居場所」作りだと思います。
作り出した「居場所」にあたる貴重な空間をどのように進化・深化させていくか?これが令和6年度の課題です。以前から掲げてまいりました『開かれた組織』『社会貢献できる組織』『チャレンジする組織』の姿勢で、雑木林的居場所から活動を推進し、ご報告できればと考えております。