アメリカの公教育(小・中・高)では、現在10以上の州で日本語のイマ―ジョン教育を実施しています。国際交流委員会のメンバーである、(一社)国際教育文化交流協会(ISECE)図書は、「アシスタント日本語教師」を多い時で年間約80名程度を派遣してきました。近年、米国政府の公教育への教育予算削減により、日本語教育を実施している公立校で日本語図書の不足が続いているとのアメリカ各州教育委員会からの相談を、ISECEを通して知ることとなりました。国際交流委員会では、日青協の会員の皆様に「家庭で不要になった小中高生向けの図書の寄付」を呼び掛けたところ、希望していた数を大きく上回る650冊の提供協力をいただきました。クリスマスに間に合う様、アメリカの子どもたちに届けることができ大変喜ばれました。メッセージが付いた図書も多くご提供いただき、それを受け取ったアメリカの子どもたちからも感謝の手紙が届き、小さな交流がうまれました。ISECE様、ご協力いただいた会員の皆様、心より感謝申し上げます。アメリカで日本語を学ぶ子どもたちへ不要になった図書を寄付●寄付された本をさっそく手に取り嬉しそうなアメリカの子どもたち 16VOL.15 2022 令和3年度 活動の軌跡REPORT 03世界に「日本が存在していてよかった」と思ってもらえる日本に… 依然として先が見えない今回のコロナ禍は未曾有の体験ですね。ここ何十年か様々な世界的事件が起こりました。1991年の湾岸戦争、2001年の9.11同時多発テロ、2011年の東日本大震災が特に影響大きかったように思いますが、既に3年目に入ったこのコロナ禍ほどの大きく長期に渡る災禍はありませんでした。 その上に、やはり、まだ先が全く見えない「ロシアによるウクライナ侵攻」も2月から始まり、世界は近年にない極めて厳しい緊張状態にあります。 一方、今年2022年は日中国交正常化50周年ですが、歴史認識問題、領土問題等やはり問題を抱えているのも事実です。 私は仕事柄、中国への留学希望者の面接試験等に多くかかわっていますが、「何故、中国語を学習し始めたか?留学したいのか?」等の質問に、多くの留学希望者は、「高校の交流プログラムでやってきた中国人生徒がとても素敵だった、中国に旅行した時に現地の方々にとても親切にしてもらった…」等々の答えがよく聞かれます。これは中国に限ったことではなく、どこの国であっても、国同士の問題があったとしても「国際交流」は「個人の体験」です。実際に会ってみればかなり仲良くなれることがほとんどです。そんな個人の体験を増やしていくことが我々の仕事です。 世界に「日本が存在しててよかった」と思ってもらえる「日本」を作ってゆくべく、日本と世界に貢献できる青少年の育成のために、今、私たちが、出来ることを是非みなさんと一緒にやっていきたいと願っています。みなさんのご理解とご協力を仰ぐ次第です。国際交流委員会
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