3 彼らは当然ではありますが、英語も中国語も堪能でした。発見とはそのことではなく、彼らから“貢献したい”という言葉が、ごく自然に湧き上がってくることでした。強いられた言葉ではなく、ごく自然に発せられるのです。 語学の習得だけにとどまらず、要素Ⅱ・要素Ⅲにも謳われているようなエネルギーにふれて頼もしく感じました。大きなものをつかもうとしている実感がひしひしと伝わってきたのです。 世界におけるリーダーシップに欠かせない貴重な体験と学び方をしている日本の留学生に出会い、今後のアジアの発展に思いをめぐらせ、改めて「グローバル人材」の定義を認識した次第です。 マークシートから記述式問題への移行という点においても上記で述べたことと同じく、教育機関は「ただ単に合格させればいい」「ただ成績を上げればいい」、検定機関は「資格を取得させればいい」という時代は終わりを告げます。簡単にいうと【正解を選ぶ】ことから【正解を創り出す力】を求められるようになります。 そのために高校生、さらにその下の中・小学生から論理的思考力の育成に取り組む必要があります。表面的な学びではなく、ゆるぎない人間としての下地づくりが求められているのです。本質的な教育しか通用しなくなってきた時代ともいえるでしょう。 先人は我々によき言葉を残してくれました。 “神は細部に宿る”。これは人の目に見えないけれども、こだわりぬいたディテールにこそ本質が現れるという意味です。この言葉を有名にしたのはドイツの建築家だともいわれていますが、教育業界に身を置く我々にとっても名言だと改めてかみ締めております。 日本青少年育成協会の活動にも、時代の変化や入試の改革が迫っております。 しかし昨年も述べましたように情勢の変化に左右されず、人が育つ風土づくりを追求しつづけながら、各活動に取り組むことで、当協会のミッションを果たしていく所存です。教育コーチング事業や留学事業に代表されるように、それらの活動が下地づくりの一環であるととらえてみると、日本青少年育成協会の活動も新鮮に感じられることと思います。 平成30年(2018年)度は、現存する事業で、「下地を豊かにする教育」をより深化させ、進化の道を歩んでまいります。皆様のご支援と積極的なご参加をお待ちしております。神は細部に宿る下地を豊かにする教育の追求
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