教育コーチのGです。
第17回の徒然読書日記は「人勢塾 ポジティブ心理学が人と組織を鍛える 著:金井壽宏」です。
金井さんの本の紹介はこれで2回目です。
(1回目は「働くひとのためのキャリア・デザイン」 こちらをご覧下さい→http://www.jyda.jp/blog/index.php?itemid=1301&catid=26)
金井さんは神戸大学大学院経営学研究科の教授という固い肩書きをお持ちですが、その著書は大変読みやすく、一気に引き込まれてしまいます。
どこか、詩的な響きさえある文章からは、知性とともに人間的な器の大きさが伝わってきます(講演での話しぶりも、著書から受ける印象と全く同じです)。
今回ご紹介する本は、金井さんの最新刊(平成22年4月10日発行)であり、2009年に開催された「ポジティブ心理学を組織と人事に応用する」ための研究会(人勢塾・じんせいじゅく)の内容を書籍化したものです。
人勢塾の詳細については実際に本を読んでいただくとして、金井さんの生み出す知的好奇心を刺激する、それでいて詩的な記述を、いくつかご紹介したいと思います。
【LTCM(ロング・ターム・キャピタル・マネジメント)は、高度の金融理論・技術で急成長したが、1998年、自ら招いたともいえる金融大混乱の中で破綻した。
応用を考えすぎるビジネス・スクール発のファイナンスの理論が、最先端の理論を、現実の金融システムの崩壊に貢献させているのは、
知識の現実応用としては、ずいぶんにネガティブなことである。】
このLTCMに関する文章は、複雑な金融問題を一言に集約した、大変美しい(人によって受け取り方は違うと思いますが)文章であると感じました。
【回復力ないしは弾力性とは、レジリエンシーとカタカナのまま言及されることも多いが、
ネガティブな逆境、葛藤あるいはポジティブではあるが進歩、責任の増大など圧倒されてしないそうな状況に、
立ち向かい、克服し、元の状態になるまで跳ね返していく力、さらに、そのような状況に偶然遭遇するだけでなく、
自らの選択で、安定して快適なゾーンを後にして、なにか新しく未知のことに乗り出し、途中であきらめずにそれを成し遂げる力】
レジリエンスについては、教育コーチングの種々の講座においても、重要な扱いをしています。
また、つい最近、レジリエンス(わたしは、「挫折回復力」と訳しています)についての記事を個人のブログに書いたばかりなので、ちょっとしたシンクロニシティも感じています。
レジリエンスは、今後、ますます重要度が増してくるキーワードだと思います。私も、レジリエンスに関する学びをさらに深めていきたいと思っています。
(つれづれ日記はまだ続きます。この続きは今日の午後3時に)