教育コーチのGです。
久しぶりの読書日記は、「おへそはなぜ一生消えないか 人体の謎を解く」著者:武村政春 新潮新書 です。
この題、ひと目で興味を惹かれました。そうなると読んでみずにはいられません。
著者の武村さんは、「ろくろの首はなぜ伸びるのか」という、少し前にベストセラーになった本の著者で、医者ではないが医学博士という肩書きを持つ方です。
まず、第1章のお題からしておもしろい!!
「食べる口としゃべる口はなぜ別ではないのか」と来ます。
その理由は・・・、秘密です。
さて第2章は「年をとるとなぜ傷が治りにくくなるのか」です。
この章の中に次のような一文があります。
【アメリカの細胞学者レオナード・ヘイフリックは、人体から取り出した繊維芽細胞(コラーゲンなどを作る細胞)を培養すると、五十回ほど分裂したところでそれ以上分裂できなくなってしまうという現象を発見した。正常細胞にはその分裂回数に限界があるというこの現象は「ヘイフリック限界」と名づけられた。】
ヘ・、ヘイフリックって、フリークなんやな。
第3章は「リ・ド・ヴォーはなぜ美味いのか」です。
リ・ド・ヴォーとはフランス料理の一つとして知られる「仔牛の胸腺」料理のことです。
この料理は高級で、贅沢な一品です。仔牛からしか取ることができない貴重な器官の料理だからです。
が、もちろん?私は食べたことがありません。
第4章は「人の赤血球にはなぜ核がないのか」です。
人の赤血球には核がなく、その部分が窪んでいます。カエルの赤血球には核があります。
この違いはどこから来るのかというと・・・、秘密です。
第5章はお待ちかね「おへそはなぜ一生消えないのか」です。
【おへそと言えば、雷様に取られるものである。
おへそと言えば、何か気に入らないことがあると曲げるものである。
おへそと言えば、おかしくてたまらないとき、お茶をわかすものである。
そしておへそと言えば、よくもわるくも、一生消えないものである。
いったいなぜ、おへそは一生消えないのだろうか? いったいおへそは、私たちの人生に、どれほどの意味を持っているのだろうか。】
おへそには皮下脂肪や腹直筋がないため、その直下にはすぐ腹膜があるという状態になっているそうです。
このため、おへそのごまを取ろうとおへそをいじくると、お腹が痛くなってしまうそうです。
そして、どうしておへそが一生消えずに残るのかというと、それは本を読んでいただくとして、このような文章が紹介されています。
【それだけ母と子の血のつながりが強かったことを物語っているのではないだろうか(井尻正二)】
そして、最終の第6章は「胎盤という器官はどう作られたか」です。
胎盤はご存知のように、
【母親の子宮の大半をカバーするかのように、その内側にぴったりと張り付くように発達する。そして、そのアンテナのような広い盤面に仕組まれたたくさんの絨毛によって、母親が噴出させる血液から有用な成分(栄養分や酸素)を濾し取り、それを胎児へと供給する役割を持ち、その一方で、胎児から排出された老廃物や二酸化炭素を母親へと託す仲介者としてもはたらいている。】
いやあ、不思議といえばこれほど不思議なことはありません。
これを読んでいるみなさん全員が、この母親の子宮にある胎盤から栄養をもらい、そして、この居心地の良い環境から、現在の世界に生まれ落ちてきているんですから。
そうそう、今日は七夕。
三重県の空は雲が立ち込めていますが、織姫と彦星は出会うことができたのかな?