市内では落ち着いて評判が良かったはずの
次男の中学校がここ1年余りで見事崩れ始めた。
校則違反・授業妨害・器物破損・暴力事件・軽犯罪…
校内に私服警察官がつめている日もある。
色々と原因について噂する人はいるけれど
何が本当の原因かなんて誰にも分かるはずはない。
でも、一つだけ私は学校に行くたび感じることがあった。
耳に安全ピンをぶら下げた子も化粧をした子も
金髪で眉毛無しの厳つく風をきって歩く子も
授業には出なくても学校には来ている。
先日、修学旅行前の説明会があった。
親同伴で体育館に並んで座る形式だった。
『不良』と呼ばれるその子たちは、会場に入って来ると
後ろの方に仲間とかたまりその場に座っていた。
険しい表情でその子たちを横目に見る父兄もいたが
何だか私はその子たちが愛おしくてたまらなかった。
終了後、その中のひとりに顔見知りの子がいたので
思わず声をかけた。
「○○君!久しぶり!
アレ? 安全ピンは耳じゃなくてココ(シャツの胸)につけるもんじゃなかったかなぁ・」
その瞬間、周囲の父兄に何故だか私も横目で見られたが、その子は照れくさそうに頭をかきながら笑い
「あっ・・・はぁ…ハイ…」とこたえてくれた。
隣にいた金髪の厳つい子には
「ふんっ!誰?!」…とにらまれてしまったが
ついでに「じゃぁね!」と手を振ってみた。
無論…呆れ顔で無視をされその日は終わった。
その後、次男から金髪の厳つい子も黒に染め直し、
安全ピン男子も耳からはずし、とりあえず授業に出始めたらしい(…睡眠学習?…)ことを聞いた。
いよいよ明日から2泊3日の修学旅行。
我が家の次男もそこそこのワルなので
母としては内心冷や冷やするが
「今年はみんなで行けそうじゃ・・」とマル秘グッズを
カバンに忍ばせる息子の姿やあの彼たちの姿に
思春期の子が『あたりまえ』という言葉に反発しながらも
『より良く生きたい』と葛藤する複雑な思いを
しっかりと受けとめて承認し続けようとあらためて
今日ここに強く思った。
先生方の愛情と周囲からの承認で、ワルガキたちが
この3日間でさらに成長して帰って来てくれることを
母親として願いつつ、その力を信じています。