リズム&ブルース、ソウルミュージックが大好きないっすぅぃ・です。
先日、遅ればせながら、『Ray』を観ました。故・レイ・チャールズを描いた
映画です。
ジョージアの貧しい家庭に生まれたレイは、少年時代に緑内障で視力を
失う。けれども「施しは受けず、自分の足で立って生きなさい」という母の
教えを胸に、ソウルミュージックでスーパースターになっていく。という半生
を描いたものです。
50年代に黒人が置かれた状況やドラッグとの絡みなども、当然気になる
ところでしたが、私が一番感じたことが、“細い線”でした。
視力を失う一年前、レイは弟を亡くします。
一緒に遊んでいたときに、洗濯桶の横で足を滑らせた弟は、そのまま洗
濯桶の中で溺れてしまったのです。
目の前で。
弟が亡くなった一年後に視力を失った。その事実からも、子ども心にどう
捉えていたんだろう、なんて考えると、その闇の深さにも思いが及びます。
音楽界での成功とは合わせて、レイはドラッグに溺れていきます。
その折々に見る幻覚が水の中に埋もれる幼い手や足。
ドラッグからの社会復帰のために入った厚生施設で最後に見た夢のよう
なもの。「レイは悪くないのよ」という母親。そしてその向こうに姿を現す
元気な弟。
「その出来事」が、レイのトラウマであり、抗う対象であり、才能を開花さ
せるものであったのでしょう。
が、私の心に残ったのは、そのことよりも“細い線”だなぁってことでした。