時代のビリーフ

埼玉の教育コーチ、Gao!です。
ブログがリニューアルしてから初めての投稿です。
子どもの頃、こんな出来事がありました。
小2の頃です。
父と日曜日遊んでいたところ、勤務先の大学から電話があり、父が急に出勤することになりました(当時、大学紛争でそれに対処するために、父に呼び出しがかかったようです)。
「日曜日なのに、なんで学校へ行くの?」と問いかけた私に、
父は「子どもに言ってもわからない」と吐き捨て、出勤していきました。
私は父の前に立ちふさがり、「子どもだって、人間だ!」と主張したそうです。
自分では、覚えていません。
子どもだって、ひとりの人間としてちゃんと認められたい。
こんな叫びを内に秘めて成長した私。
教育コーチングに出会った時に、一番引っかかった言葉は、あり方のトライアングルのひとつ、「尊重」でした。
web講座でまず学び、リアルな講座に出て、出会ったトレーナーはまさに愛情・信頼・尊重の人たちでした。
大人も子どもも、男性も女性も、地位も、人種も関係なく、お互い尊重し合える社会を実現したい。
私が教育コーチングを学び、実践し、普及活動を続けるエネルギーは、その思いから来ています。
私が小中学生の頃は、忘れ物や私語をしたりすると、教室や廊下に立たされたり、ということが日常的にありました。
自分も何回か立たされたことがあります。
今思うと理由も聞かないで立たせられるなんて、屈辱的です。
現在は立たせることはなくなっているとはいえ、部活でコーチの指示に従わなかったから、罰として何回も走らされ、熱中症になったというニュースをこの夏も耳にしました。
「生徒は先生の言うことを聞くべきだ」「生徒には厳しくしなければ、ちゃんと育たない」
そんなビリーフは今も根強く残っているのでしょう。
この夏、目的地までどうやって行くか、父と話していました。
私が調べたプランを父に提示したところ、「あんたは間違っている。私の言うとおりにしなさい。子どもは親の言うとおりにすべきだ」と、全く聞く耳持たずでした。
無力感を感じたし、せっかく調べてもこんなんじゃ言われるままにしていた方が楽。そんな気持ちも湧いてきました。そして悔しいというよりも、そんな父が笑えてきました。
父や母は「子どもは親の言うことを聞くべきだ」という価値観のもと、育ってきており、それは一生変えられないのだなと思いました。
父は、そういう形で愛情を表現し、私を守ってきたんだと思います。
父がそういうビリーフを持っていることを私が尊重することも必要かもしれません。
その時代時代の価値観やビリーフがあります。
「親や先生の言うことを聞くべきだ」「妻は夫に従うべきだ」「長男が家を継ぐべきだ」「男子 厨房に入らず」「一人っ子は嫁に行くべきではない」「男は泣くべきではない」「女性は家にいるべきだ」「男性は家族を養うべきだ」「女性は家事をするべきだ」
そうした価値観やビリーフは、変化していきます。
若い夫婦を見ていると、細かいことも相談し合っていたり、「こうしようと思うけど、いいかな?」と同意を求め合っていたり、いいコミュニケーションがとれているのを感じます。
夫婦で家事や育児を分担し合うことも増えています。
抱っこひもで子どもを抱えているお父さんの姿を見ても、最近は驚かなくなりました。
先日は、花屋で働く男性が抱っこひもで子どもを抱えていて、少し衝撃でしたが。
お互いの意見を出し合い、それぞれ違っていても、話し合って解決していく・・今の若い世代はきっとこれからそれがさらにできるようになっていく、明るい未来を感じています。
若い人は、経験豊かな上の世代の意見に耳を傾け、年老いた人は、若い人の自由な発想に耳を傾ける・・お互いに認め合いながら成長していけたらいいなと思います。

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