認識することについて振り返る教育コーチの超介です。
20年程前、新部門の立ち上げにかかわり、不安や悩みに取りつかれて悪戦苦闘していた時のことでした。実家に帰省し、その悩みを話していると、当時60代の父親から「お客を集めてサービスを売ること、それだけだろう」と喝破されたことを思い出します。
その時は気持ちを理解してもらえないもどかしさもありましたが、そのもどかしさは仕事以外のことから派生するものでした。問題を単純にとらえればよいのに、いろいろなものをまとわりつかせてしまい、底なし沼にはまったかのような心境でした。
父親のアドバイスはコーチング的ではありませんでしたが、端的でした。認識するとは「知ってわかること」ですが、往々にして見えているはずであるのに、わからないことが多いものです。20年前の私は仕事の概要がわかっていませんでした。残念ながら父に指摘されてもわかりませんでした。今は父の言葉の意味が大変よくわかります。
こんなことを書いているのは、実は「わかるようになる力」(部分をみて全体が理解できる力)を育コーチングは伸ばすことに寄与する、そう思うからです。私たちは、はじめてみる犬でもほとんど「犬」であることがわかります。(馬のように大きい犬や、鼠のように小さな犬ではわからないかもしれませんが)これは、当たり前のようですが、でも不思議なことであると思いませんか?はじめてみるのに何であるかわかるのですから。
子供たちに教えていると「なぜわからないんだろう」と思うことがよくあります。答え、解法を教えて、結果として問題が解けることより、「わかる力」が伸びるほうが価値があると思っています。「わかる力」が伸びるとその生徒のモチベーションが上がります。一つの現象を見て全体を把握したり、予測したりする力につながるのです。その次を挑戦する力につながります。「わかる力」が伸びる環境作りを工夫してきました
ポイントは1.到達度に応じた課題 2.考えること(教えないこと) 3.スピード(集中) この3つだと思います。
教育コーチングでは「答えがその子の中にあること」つまり「問題の解決をその子自身がすること」を信じて、子供と寄り添います。そのことは子供の「わかる力」の伸長に効果的なのです。「わかる力」は生きる力に直結します。ものすごく大切な力なのです。これについてはもう少し続けて考えてみたいと思います。お付き合いいただければ幸いです。