傾聴

ある生徒のことを書きます。

その子は今春受験を終えて、みごと難関の第一志望校合格を果たした。

しかし、入学して4ヶ月目、自分の考えていた学校生活と

実際の日常がどんどん離れていったようだ。

そして、とうとう何もかも嫌になった。

長かった4ヶ月の毎日の繰り返し。

私は、こうすれば?

ああすれば?

こんな考え方だってあるじゃないか?

いろいろ提案したいこともあった。

しかし、とにかく先ず聴こう、と思った。

そこからスタートだ。

1時間、2時間、3時間、・・・5時間、向かい合って

生徒はその胸のうちをすべて語ってくれた。

度重なる大きな沈黙。こみ上げるものを受け止めながらの長考。

「だいたい話せた」

その言葉で私は次の世界が見えた気がした。

こんなに長く、深く、傾聴をしたことは初めてだ。

正直なところ、くたくたになった。

どのような結果になるかは、今のところまだ分からない。

しかし、私は信じられる何かを感じている。

生徒も自分の新しい心を感じている顔だった。

2 thoughts on “傾聴”

  1. おしょうさんです。
    5時間向き合った、日の出さん。
    たくさんの受け取ったもの。
    また、つづきを聴きたいです。

  2. キヨシです。
    5時間。
    時間の長さだけでなく、二人の距離をさらに
    縮めて信頼が増したのではないかと思います。
    これからの彼の数十年の人生の中の
    大きな大きな5時間になることでしょう。

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