先週の日曜日のことであったと思います。
三日月、それも本当に細い三日月が、まだ少し青味が残る夕空に浮かび、そのすぐ上(天頂方向)に輝ける金星がありました。黄色く輝く金星と三日月、2つに天体の形と色、すっきりとはれ上がった背景の空、みとれていました。お互いの距離は角度にしてせいぜい月2・3個分くらいだったでしょうか。
現実の宇宙空間では、暗黒の中で太陽が輝きます。その何万分の一、いや何億分の一以下(もっともっとかな?)の光を遠く離れた地球が吸収し、さらにその光は空気分子にぶつかり、乱反射して大気を青く、白く、時にオレンジ色に輝く空をつくります。同じ太陽から出た光のほんのわずかなものが、やはり暗黒の空間に浮かぶ金星に届き反射しそのまたほんのわずかな光が地球に届きます。空の大気の色、月の光と、金星の光、元は同じ太陽の光、それらがその時の私の目に同時に届き、5月の夕方の西空を彩ります。
私自身の体もDNAを介して網の目のようにつながる生物の系統に連結されています。身体を構成する原子までさかのぼれば、その大本は地球を構成している原子、さらに百数十億年以上前に暗黒の空間に浮かんでいた物質でありました。ずーとつながっていて、連綿と生物も無生物も光も全部つながっていて今ここにあります。