「どうぞおかけください」といって、数秒その場を離れている間に、その母子の間で勢い良く?親子喧嘩風の会話が始まる。
そして、私が中に入って面談開始。
私が子どもに質問をすると、子どもが答える。
すると、お母さんは黙っていられなくて
母:「あんたはいっつもそう。口ではそう言うけど、言うばっかりでぜんぜん行動しないじゃないの!」
子ども:「それは・・・・だから。 今はちゃんとやっている! やっているところを見てる?!」
母:「じゃぁ、あの携帯は何? 昨日もずっと携帯ばかりやってたじゃない!」
子ども:「ついついやっちゃうんだよ(^^ゞ。気付いたら時間が長くなってるんだよ」
母:「あんたはだいたい遊びがまず先でしょ! その余った時間で勉強をしようなんて考えで、できるわけないでしょう!」
子ども:「お父さんやお母さんが言う、遊びは勉強の合間にやるものだって言う考えと僕は違うんだよ。 僕は遊ぶときには遊ぶ、勉強するときには勉強する・・・」
母:「・・・で、あんた勉強してるの?!遊びばかりじゃないの!」
子ども:「今は毎晩やってる。 妹は知ってるよ」
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こんな調子がおよそ40・50分続く。
途中、何度か話に入るが、どうしても元に戻ってしまう。
お母さんはこれまでの様子から、子どもに対する信頼感がまるでない様子。
子どもの目からは涙があふれて止まらない。
母の会話には、『変えられない過去』の言葉と『目の前の相手を変えたい』気持ちの言葉が、子どもに対してなだれのように押し寄せてくる。
親の愛情、「子どもに自立してよくなってもらいたい」という気持ちが子どもを自分が思ういい方向へと操作しようとしている。
でも、子どもは変えられたくない。
自分の考えでやりたい。
やっていることを信じてもらえないもどかしさと悲しさ。
そして、腹立たしさへと向かう。
双方にいくら言っても分かってもらえない互いに対する諦めが見え隠れする。
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『他人と過去は変えられない』 では、変えられるものは? ・・・ 子どもが答えを出した。
『怒りと叱り』 ・・・ お母さんにも感じてもらった。
『意識と無意識』 ・・・ お互いがもっと自分をコントロールできることに気づいた。
『愛情からくるコントロール』 ・・・ 一緒に考えてもらった。
『選択の人生』 ・・・ 自己責任のもとに子どもは自分で選択することを決めた
お母さんもそれを認めた
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子どもは自分の進みたい道へ、自分の責任で、自分の考えで、行動することを決意し選択する。
母は、『期待』ではなく、子どもの自立を信じて支援することを決める。
パラダイムシフトが起こった面談。
二人の顔が最初とはまるで違っていて、やわらかい笑顔に変わっている。
とても優しい会話をしながら仲良く帰っていく二人の背中に幸せを感じる。
今、とっても嬉しい。
教育コーチングに感謝です。